生産者探訪 第5回 静岡県 ちきり清水商店 調味料

江戸時代の1782年に創業、駿河湾を望む焼津で241年続く鰹節屋「ちきり清水商店」。日本の食卓に欠かせない高級鰹節を主力とする老舗中の老舗であり、伝統の手法を守りながら鰹節本来の風味や旨みを追求し続けています。「口から摂るものが明日の身体を作る」という想いを持つ清水喜市郎社長に、鰹節へのこだわりを教えていただきました。

今回の探訪先

ちきり清水商店
静岡県
ちきり清水商店
「ちきり」には木や石材などをつなぐ、つなげるという意味がありますが、社名には各家庭の味を代々繋いで家族の絆を「つなぐ」ほか、鰹節を通じてお客様と生産者を「つなげる」という意味も込められています。清水社長は2013年に19代目に就任。日本古来の出汁の文化の中で育ち、美味しさを体感してきた鰹節、出汁のプロです。
  • 歴史の中で培われた素材へのこだわりと伝統の技が生み出す上品な味
    本場・焼津で鰹節の道を究めてきたちきり清水商店。明治から大正にかけては国内はもとより満州やアメリカへ鰹節の輸出を手掛けたほか、有力な呉服店が百貨店へと業態転換する大正時代には、いち早く取り引きを開始して百貨店における鰹節販売の先駆者へ。さらに戦後以降、各家庭で鰹節を削らずに削り節のパックが一般的になると、ちきりでも徹底的に質・味を追究。伝統の技法により上質な本枯節を限界まで薄く削るなど、妥協を許さない味へのこだわりが、削り節パックを開けた瞬間に広がる豊潤な香りと、ふわっととろけるような独特な口当たりを実現しています。
    歴史の中で培われた素材へのこだわりと伝統の技が生み出す上品な味
  • 若い世代にもつなげていきたい味、それがちきり伝承の味
    度を超えた激辛食品や繊細な味付けの和食離れ、ジャンクフードの影響で「味覚の衰え」が指摘されている現代において、食べ物の味や旨みを感じる器官である「味蕾」をフル活用するためには、出汁がうってつけです。出汁をとって作った繊細なお料理をよく噛んで味わいながら食べるなど、積極的に出汁をとりつづけることで、細やかな味がわかるようになってきます。「味」とは「口」で感じる「未(かすかなもの)」。素材の味を楽しみながら味覚をつくる、それが私たちの醍醐味であり、鰹節や鰹出汁の美味しさを若い人にもぜひ知ってもらいたいのです。
    若い世代にもつなげていきたい味、それがちきり伝承の味

レポーターもイチオシ! こだわりのポイント

  • point 01
    簡単・手軽なのに本格的な「だしパック」
    簡単・手軽なのに本格的な「だしパック」
    国産のさば、むろあじ、鰹、いわし、椎茸をブレンドし、化学調味料無添加で仕上げた「だしパック」。いりこだしや焼きあごだしなど、料理時間を短縮できて手軽に本格的な出汁が取れます。
  • point 02
    空の旅を感じるオリジナルギフトBOX
    空の旅を感じるオリジナルギフトBOX
    味わいの濃さに合わせ、空の旅を感じられる「1日の始まりの朝日」「お昼に輝く向日葵」「夜の華やかな夜景」のパッケージ。裏側にはお出汁のお魚と隠れ海の生き物も描かれています。
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生産者直伝!おススメの食べ方

煮物や和食のお料理にはもちろん、ラーメンのスープとして使用してもヘルシー!使用後は袋から出して、大根の葉と炒めればふりかけにもなるほか、チャーハンや炊き込みご飯にいれても美味しくいただけます。

金子さん
レポート後記
金子さん

遅い時間に帰宅した時や少し疲れがたまっている時は、どうしても簡単に済ませようと、ついつい顆粒だしに頼ってしまうこともありましたが、ちきりさんに出会ってホッとするお出汁の良さを改めて再認識しました。地の利を生かした原料と生産者、それを食する人たちがすべてつながっているのが日本の食文化の素晴らしいところ。何百年も前からその素晴らしさ伝える「ちきり」の情熱を、更に広めていきたいです。

※本特集ページに掲載している情報は2024年1月22日時点のものです。
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